ワーキングママのブログ

横浜在住のワーキングママ。会社を辞めてフリーランスに。

高専女子はどんな人生を歩むのか?高専ってどんな学校?

高専という学校をご存じでしょうか?高等専門学校という中学卒業後、5年間専門的なことが学べる学校で、都道府県に1校くらいの確率で存在します。

実は私は高専を卒業しておりまして、もし高専という学校に興味を持っている方がいれば(本人でも、親御さんでも)、私の経験などを参考までに紹介してみたいと思います。

 

高専の女子の割合は?

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高専は主に理系の学校が多く、女子の割合はかなり少ないです。私が入学したのはもう25年も前。情報系の学科でしたがクラス40人中、女子は6人だけでした。他の科の女子の割合は以下の通り。少ないですね。

  • 機械系:0人/40人中
  • 電気系:2人/40人中
  • 情報系:6人/40人中 →ここに属していた。
  • 物理系:6人/40人中

今の仕事は?

私の仕事はWebサイトの制作です。

高専5年の時に研究室で生まれて初めてHTMLを触り、たいそう感動しまして、Webの仕事に就きたい!と思ったのがきっかけでした。まだブラウザNetscapeがブイブイ幅を利かせていた時代です。(若い人分かるかな~?)

職業としては「Webデザイナー」という言葉が当てはまるのでしょうか。ただ、デザイナーというのがちょっとおこがましい気がするので、いつも職業を言うときは「Web関係の仕事」と言って濁しています。

初めてHTMLを触ったときから、20年が経ちました。今ではWebサイトのデザインはもちろん、関連する印刷物の制作、フロント/サーバーサイドコーディング、データベース、UI/UX、広告の運用まで、なんでもやっている気がします。

年も年なので、いちおうちょっとした役職にもついていますが、40歳になった現在でも制作業務は行っています。マネジメント的な仕事よりもやっぱり手を動かして制作するのが好きだなぁ。

新しい技術もどんどん出てくるので、正直、この年で新しい技術を覚えるのは本当に大変で、最近の技術とかは若い人の方が良く知ってたりもするので、私も頑張ってついていかないとなと思っています。ただ、やっぱりWebサイトの制作することは楽しいし、やはり自分の天職!と思っています。

高専に入った理由は?

もともと私が高専に入った理由は、グラフィックデザイナーになりたいという理由でした。ど田舎だったので、そんなおしゃれなことが学べる学校があるわけでもなく、とりあえずパソコンが使えればよいのでは?という単純な思いから地元にあった高専に進路を決めました。今思えば結構ずれてるけど。。

幸い中学校の成績はそこそこ良い方だったので、推薦ですんなり入学できました。たしか推薦を受けるには5段階評価の全教科の合計で●●以上など制限のあったような。

また、家が裕福ではなかったため、その時は上京して一人暮らししながら学校に通うという選択肢は、その当時の私の中でも家族の中でもありませんでした。

今思えば、国立のリーズナブルな授業料でアルバイトをしながら自宅から通学していたので、だいぶお金のかからない選択肢でした。自分のおこづかいはアルバイト代で賄っていましたが、育英会の奨学金(学生ローン)も利用していました。

高専ってどんなことを勉強するの?高校と大学との違いは?

学校や科によって違いますが、大学のように自由度は高くなく、日によっては1日8時限目までみっちり授業がありました。特に低学年(1-2年)の時は一般教科の割合も多く(音楽や美術の時間もある)、高校とあまり変わらないんじゃないかなと思います。

いちおうクラス担任の先生もいます。先生は一般教科の先生も「教授」とか「博士号」を持った先生が多く、そこは大学に近い?のかなと思います。在学中は先生の凄さはピンと来てなかったけど、最初の担任の先生は京大卒で博士号を持った面白い数学の先生でした。

学年が上がるにつれて専門的な科目も増えていき(詳しくは希望する高専のシラバスをチェックしよう!)、5年生になると卒業研究に充てる時間があり、そこは結構自由です。私が通っていた高専は1-3年までは制服(途中で着なくなることが多かったけど)、4、5年生は私服でした。

部活は盛ん?

部活がありますが、そんなに盛んでもないかなと思います。学校側もそんなに力を入れている感じでもありませんでした。大会は高専だけの大会というのがあり、その大会でいろんな都道府県に行けたのが楽しかったです。

ちなみに女子自体が少ないため女子自らプレイヤーとして行う運動部というのは少なくてマネージャーとして部活に所属する人が多かったです。女性が多い学校であれば選択肢があるのではと思います。

どんなキャラの人が多い?

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田舎の学校だったので、また都会の学校だとまた違うのかもしれませんが、私のクラスでは男子だけで言うと、オタクっぽい人(将来エンジニアに有望という意味での。)が半数、あとは中間、おしゃれでイケてるグループと結構くっきり分かれていました。

女子はギャルもいたし、真面目な人もいたし、オタクっぽい人もいたし、バラバラです。ただ女子は人数が少ないため必然と女子だけで固まります。そこで性格が合う合わないはあると思うので、本当に合わない子と同じクラスになると女子同士5年間付き合っていかなきゃいけないので大変かなぁと思います。

私のクラスも6人の女子同士いろいろあったりもしましたが、今ではLINEグループを作って、近いところに住んでいるメンバーでたまに会ったり、年賀状を出し合ったり、連絡し合ってます。

就職は有利?

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私がいた高専では担当になった卒研室の先生がその生徒の就職先をサポートすることになっていました。先生がこの会社どう?と提案してくれるので、そこを受けたいと思ったらその会社に学校側から応募→面談→結果が来る流れです。高専の決まりなのか1社ずつしか受けれないので、並行してどこかの企業に応募はできなかったです。内定が決まればそこに就職するのが原則でした。

※調べたらこれを学校推薦というのですね。これが普通でしたので高専ではこの方法が普通だと思っていました。学校推薦の場合は制約が多いため、現在は自由応募という形も増えてきているのかもしれませんね。

学校推薦という制度のメリットかもしれませんが、大手の有名企業に就職している人も多くいます。

また、特に地元だと高専=優秀と思われていたので(実際は微妙なところもあるけど、、、!)、高専との結びつきが強い地元企業については、学校からの紹介状を持って行けば即内定という感じのところもありました。面接に行った私の同級生はそのまま内定通知を持って帰っくるなんてケースも。

バブルの時代は駅からタクシーに乗る人のほとんどが「〇〇高専までお願いします」と言って来校する企業の採用担当者でだったそうです。ただ、私の卒業した時期は思いっきり就職氷河期真っ只中。そんなに恵まれた事態ではありませんでしたが、同級生は結構スムーズに就職が決まっていたような気がします。

ちなみに私はと言いますと、上京して家を出たい!という気持ちが強かったため都内のWeb制作も行っているソフトウェア会社へ就職。同期はみんな大卒か院卒ばかりだったので高専卒は私だけ。20歳というとみんなにびっくりされたのを覚えています(笑) ちなみに夫はその時の同期の一人です!

世に出ると分かるのですが、高卒OKを応募条件としている企業というのは日本では大きな企業ほど少ない場合が多く、とりあえず高専卒ということだけで就職の間口は広がると思っています。

ただ在学中に勉強することが多い割には、大学卒ほど優遇されているわけではありません。大手企業であればあるほど求人が大卒以上というケースも多々ありますし、私自身も大学まで行っておきたかったなぁと思うことも人生で何度かありました。

高専を卒業した後の進路は?大学には行けるの?

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高専を卒業した後の進路ですが、以下のパターンがあります。

  1. 就職する
  2. 高専の「専攻科」へ進む
  3. 技術大学へ推薦で編入する
  4. 希望する大学へ編入学試験を受けて編入する

高専卒業後は、就職する人が多いですが、大学の3 年に編入学することもできます。私の同級生では技術大学へ推薦で編入する人が多かったです。ほかにも少ないですが、頑張って勉強して編入学試験を受けて国立大学へ編入した人もいました。

あとちょうど私が卒業するタイミングできたのですが、高専で5年間学んだあとさらに2年勉強する、「専攻科」というものがあります。大卒と同じ扱いとなり、卒業後、大学院に進学することもできます。私の同級生では成績が上位の人は進学するケースが多かったです。

高専はおすすめなのか?

  1. 「中学の時点で理系へ5年間身を置く覚悟がある」
  2. 「どうしても学びたいことが高専にはある」
  3. 「将来大学に行きたいけど授業料が高くて躊躇している」
  4. 「プログラマ・エンジニア・研究職などの専門職に就きたい」
  5. 手に職をつけたい」

などのケースであれば私はお勧めします。

高専は大学よりはリーズナブルな授業料ですが、家の近くに高専がないと、必然的に寮や下宿・一人暮らし生活になるのでそこは別の出費が発生しますのでご注意ください。その辺は高校へ行くよりはお金はかかるかと思います。

高専では入学したはいいものの、単位が取れなくて落第する(ダブる)ケースが容赦なくあります。これは女子でも同じで、私の同級生には進級できずに自主退学した女の子もいました。また、やっぱりやりたいことと違うとなり退学したクラスメイトも何人か、、、。

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私が卒業時にはクラスの1/4くらいは退学や落第していなくなっていました。(代わりに落第してきた上級生や高校から編入してきた人、留学生が加わってましたが。)適当な気持ちで入学した場合、自分の興味のない勉強を5年間もする羽目になるので、本当にきついし、今思えば時間がもったいないです。

しかも高専は15-20歳の5年間の間に受験もないため、目標がないと本当に中だるみします!

正直私もそうでした。私の場合グラフィックデザイナーというどちらかというとキラキラしたイメージにあこがれていたため、作業着で工場で溶接や旋盤といった授業には興味がなかったし、物理など苦手な授業も多かった気がします。

まぁそれでも卒業して就職し、希望の職業に就き、そこそこの収入を得ることができています。私の場合はWebの仕事ですが、HTMLだったりプログラミングのベースとなる知識は高専の授業で学ぶことができたので良かったと思っています。

特に女性は出産・育児が節目となり仕事の仕方も大きく変えていかなければいけません。男女平等といわれていますが、まだまだ女性が育休とって仕事復帰してもメインで子育てをしているのが現状です。

手に職があればブランクがあっても子供がいても、離婚しても、多少年をとっても食いっぱぐれることはありません。

最後に:この記事を買おうと思ったきっかけ

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私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、いつも見ているとあるブログでお子さんが高専への進学を考えているんだけど、お父さんの方が大学じゃないということで大反対しているという記事をたまたま読んだのがきっかけでした。

高専卒の私はその記事を見て少し悲しくなってしまったので、少しでも高専のことを知ってもらうと思い記事を書いてみました。私も大学まで行っておけばよかったなと思うことは正直ありますが、それは大卒という肩書が世間では優遇されているので悔しい思いをしたからです。

現在は卒業後就職した会社は退職しましたが、フリーランスや派遣などの仕事を経験し、縁あって今の会社は10年以上勤務しています。今の会社では社長に自分の能力を評価してもらい十分なお給料をもらっていますし、学歴について不利に感じたことは一度もありません。

高専では大学にも負けないくらい専門的な勉強ができますし、結局はどんな学校に行っても、その後どんな仕事についても本人がやりたいことを目標を持って前向きに学び続けられるか次第だと思っています。

高専に行って、もっと勉強したいと思ったら大学に編入したり専攻科へ進学する選択肢もありますしね!

この記事が少しでも将来の進路を選ぶ手助けになったら嬉しいです。高専楽しいよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。